Humans of New York, refugee stories 4

ヨーロッパに来れたよ、と父に言ってからは、どんなことをしてもその嘘を本当にしたかった。密航業者を見つけて、僕の身の上話をしたら、心配して助けてくれるように見えた。1000ユーロでギリシャの島まで行かせてくれると言った。

「俺は他の業者とは違うよ。神を恐れている。自分の子どももいる。何も心配することはないさ」と言ったので、この男を信じた。ある晩、彼が電話をかけてきてガレージで会うことになった。20人がバンの後ろに押し込められた。ガソリンタンクもあったので息もできなかった。叫んだり、吐いたりする人もでてきた。

密航業者は銃を取り出して僕らに向け「黙らねえと撃ち殺すぞ」と言った。僕らは海岸に連れて行かれ、この男がボートを用意している間、パートナーの男が銃を僕らに向けていた。ボートはプラスチック製で3メートルほどの長さだった。皆がそれに乗るとパニックになりボートは沈みはじめた。

13人は怖くてとてもいけなかった。密航業者は、僕らの気が変わっても金は返さないと言ったので、7人は先に進むことにした。男は僕らを島まで連れていくと言ってたけど、何百メートルか進むとボートを飛び降りて海岸まで泳ぎだした。

男は僕らにまっすぐ進めと言った。波はだんだんと高くなり水がボートに入ってきた。真っ暗な夜だった。陸も、光も何にも見えない。見えるのは海だけだった。それから30分ほどたつとモーターが止まった。みんな死ぬんだと思った。あんまり怖くてまったく何も考えられなかった。

女の人が泣き出した。誰も泳げなかったからだ。僕は3人くらいは担いで泳げるよ、とウソをついた。雨が降り始めた。ボートはぐるぐる回転し始めた。だれも何も言えないくらい怖かった。

だけど1人の男がモーターを何とかしようとしてたら、数分後にまたエンジンがかかった。どうやって海岸についたのか覚えていない。でも、そばにいた人に手あたり次第キスしたのを覚えてる。

今はもう、海はこりごりだ。大嫌いだ。泳ぎたくなんてし、見たくもない。なにもかもが大嫌いだ。

(ギリシャ、コス)(4/6)

Advertisements

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s