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“Of the 1, by the 1, for the 1%,”

ずっと昔、小泉が郵政省を民営化するといいだしたとき、私のぼんやりした頭で思っていたのは、民営化したほうが公務員業務にありがちな無駄もなくなるし、効率もよくなっていいんじゃないかなぁということだった。民営化するという意味がわかってなかったんやね。あのときは漠然と、政府が民営化したがってんのは郵貯を企業がやるようにしたいからなんやろう、くらいしかおもってなかった。でもそれも私とはうんと遠い話で、郵貯という銀行なんて国がやろうが企業がやろうが、あんまし関係ないもんなぁって。

だけど、アメリカに来て、すべてが民営化=私有化されていることの結果?というのか現実?というんか、まあそんなものが日本よりもずっとずっとはっきりと現れている社会をみて、新自由主義経済の恐ろしさがわかる。

経済学者のスティグリッツがDemocracy Now!にでてた。スティグリッツはもともとIMFかワールドバンクにいた人で、そのなかで働いてて新自由主義経済を告発してる人やから、この人の話は聞いといて損はないかと。

エイミー・グッドマンとジョゼフ・スティグリッツのやりとりから

AMY GOODMAN: In your piece, Joe Stiglitz, in Vanity Fair, “Of the 1, by the 1, for the 1%,” you say, “Americans have been watching protests against oppressive regimes that concentrate massive wealth in the hands of an elite few. Yet in our own democracy, 1 percent of the people take nearly a quarter of the nation’s income—an inequality even the wealthy will come to regret.” Talk about all this. We’re seeing these rolling rebellions. We are seeing rebellions not only in the Middle East, though, in the Midwest. I mean, look at Madison, Wisconsin. And what about this issue of even the wealthy will regret this?

JOSEPH STIGLITZ: Well, there are two points that I try to make. One is that a successful economy requires collective action. There are lots of things we have to do together. We have to have infrastructure. We have to have an educated population. If you have a divided society, you start worrying more—if you’re in the wealthy and you have an electorate system that can use your wealth to affect the politics, you say, “I’d rather have a small government that isn’t able to redistribute money, take money away from me. I don’t need public schools; I have private money. I don’t need public parks; I have private—you know, my large land.” So, what you have then is an erosion of the kind of collective action, and that makes a society less efficient, less productive. And you see that already happening. We are competing in education with countries in Asia that were much poorer than we were not that long ago. So that’s one problem.

And the second one is that obviously a house divided can’t stand, that you start getting tensions, you start not paying attention to the things that make us cohesive as a nation. And that’s what you’re seeing in Wisconsin. And you also see that in the budget messages that are coming across, saying, “OK, we’re going to cut back on healthcare for aged and for the poor, but we’re not going to do anything about overall healthcare costs.” What does that mean? It means that if you’re going to cut back on health expenditures for the aged and the poor, and you’re going to let health costs continue to rise, that says rationing. They’re not going to be able to get healthcare. Already, we spend more money with poor health outcomes than those in other countries in the advanced industrial world. And it’s going to get worse as the poor and the elderly can’t get access to healthcare.

 

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日本に帰ってる間に、また少し事態が動いているみたい。

ウィスコンシン知事のウォルター・スコットがワシントンに呼ばれている。共和党の Darell Issa が議長を務める下院監視政府改革委員会(恐ろしげな名前、the House Oversight and Government Reform committeeという)で、“州と地方債:厳しい選択を控え State and Municipal Debt: Tough Choices Ahead.”という公聴会で証言するため。
http://politics.gather.com/viewArticle.action?articleId=281474979214554

AP通信によると、昨日(13日)には、ウィスコンシンの裁判所がスコットが無理やり可決させた法案がまだ実効されないのでこれを却下する必要があるって発表した。
http://www.canadianbusiness.com/markets/market_news/article.jsp?content=D9MJELK81

スコット知事をはじめとして、ティーパーティに押されて去年11月に当選した知事たちの州ではなんでこんなにがむしゃらに労働組合をつぶそうとするのだろうかという疑問が自然にわいてくる。その答えは、12日、msmbcのEd showでみせてくれたグラフにあるのかもしれない。

 

緑色の棒グラフが役員報酬。クリントンが大統領してるときに「少し増えすぎちゃったのでなんとかしないとね」といってるビデオが紹介されてた。でもそのあとブッシュになって飛躍的に伸びている。

線グラフのほうは、赤が労働組合の参加率で青が中産階級の年収。 労働組合が弱くなっていくのと中産階級の給与が下がっていくのがぴったり一致してる。

ぴったり一致してるのはそれだけじゃなくて、線グラフと棒グラフを組み合わせてみると、あら不思議、そうだったのか!と池上先生のようにいいたくなる。

自由主義経済で儲けてる人にとって労働組合ってほんとに邪魔やったんやなぁ。ということは、労働組合はそれだけやっぱり力があるってことじゃん。

Wisconsin War 3

先週末、12日のウィスコンシン。デモクラシーナウ!より。
共和党の人もデモに加わっている。ウォーカー知事が集団交渉権剥奪法案にサインして以来、このことはもうどうしようもないといわれていたけど、この日の人出は10万人を超える。ファーマーズユニオンも応援にかけつけ、何台ものトラクターもデモに加わる。

This is a Class War

法案が通ったのをうけて、NYにきていたマイケル・ムーアをつかまえてのインタビュー。マイケルは「これは階級闘争だ」といってる。このちょっと前にウィスコンシンでスピーチを行ってきただけに、ウォーカーに対する怒りあらわ、というかんじ。

彼の住んでる?ミシガンでも、知事に”緊急時”には権力を与える法案が通過した。”緊急時”には、知事が任命する人が解雇をはじめ、いろんなことに決定権を持つ。それまでの契約を無効にできるし、選挙で選ばれた市長や議員や教員組合の委員とかも解雇できる。これは町を企業に売り渡したも同然!!だと。これには学生たちも市民も怒っている、と。

エイミーにゼネストの可能性を聞かれた。可能性は大。だけど、組合が主催するわけにはいかない。Taft-Hartley Actに違反するので。だけど、学生とか一般市民として町にでて、みなで国をシャットダウンするやろう、と。(21日現在、大きなデモはあったけど、そいう動きはまだない)

こんな民主主義が無効化されることは許されない、今週の土曜日(3/12)は車でいける距離の人はみんなマディソンにいってデモするやろうと、少なくとも25万人規模のデモになる(実際には185000くらいか、マスコミでは10万人を超える、といってる)だろう。

カウチに座ってる場合じゃない! と力説。

Wisconsin War 2

昨日、ウォーカー知事が法案を通してから、今日はまたいっそうデモが激しくなってる。

そもそも赤字予算の対策で修正法案をだして、そのなかに組合の団体交渉権の剥奪とかをこっそり忍び込ませていたのに、州外に逃げている民主党の議員がいなくても法案を通せるようにと、昨日になって予算修正案から予算案を削除して、団体交渉権の剥奪法案だけにして法案を通したらしい。

そんなん、最初から予算案なんかどうでもよかったんがミエミエ、というかあからさますぎひん?

でも、ということは、組合の団体交渉権剥奪する法案をつくるのに、そもそも議会を通す必要はあらへんてことになるの?

ま、ともあれ下は今日のデモクラシーナウ。あとでもう一度ゆっくり聞き取らんな。

Wisconsin War

2月25日に、ウィスコンシン州マディソンで州知事が予算修正法案を提出しそれが上院で認められた。

それは、ただの予算修正法案ではなくて、赤字予算対策のため、として公務員の組合の団体交渉権の剥奪をはじめ、いろんなものが盛り込まれていたから、それから大変な騒ぎになった。

まず、予算案を通過させないために民主党の議員14人が州外に脱出。イリノイ州に避難した。彼らがいないと法案を通過させるための定員に満たないので、ということ。

当然、公務員や組合労働者をはじめ、7万人がデモをした。市民たちはそれから州都ビルを占拠した。公共の建物なので昼間は市民が入り込み、夜は外でテントをはった。州知事は市民を追い出すために州兵を動員するっていいだした。そこで、「冬の兵士」たちがかけつけた。同じ公務員として、パブリックに働くものとして、州兵たちに動かないように呼びかけにきた。これがYoutubeにあがっていたので、これを訳してTUPで配信することになったので、その前書き部分。

◎連帯する労働者、市民、そして兵士たち
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雪の降り積もるアメリカはウィスコンシン州で、労働者運動がいま熱く動いている。運動の背景は後述しているので参照していただきたいが、ともあれ、労働組合をつぶそうとする州政府に反対して、労働者や市民約7万人が、「カイロの次はウィスコンシンだ」と掲げ、州都議事堂(キャピタル)を占拠し抗議している。昼間の間は公共の建物であるキャピタルのなかで、夜になると屋外でテントをはる抗議活動を続ける。
長期の不景気を理由にして教員をはじめとする公務員を解雇し、労働組合の力を殺ごうという動きは常にあり、私が住んでいるニューヨークでも市内で2000人(!!)の教員が解雇予告を受け取ったばかりだ。ニューヨークばかりではない。ニュージャージ、オハイオ、テネシー、ペンシルバニア、フロリダ、イリノイの各州でも同じような動きがあり、すでに労働組合の団体交渉権を剥奪しているところもある。
ウィスコンシンでは、このような市民に対し州知事が「州兵を動員する」ことを示唆した。念のためにいっておくが、これは「人権を尊重する」、「民主主義の国」アメリカの政治家がとっている行動である。
そんな状況のなかで、「戦争に反対するイラク帰還兵の会」のメンバーが州都キャピタルにかけつけた。同じ軍務という公務につくものとして州兵に出動しないことを呼びかけている。この光景はチュニジアで、エジプトで、民衆に銃を向けなかった軍を思い起こさせる。短い映像だが「連帯」する民衆に力強いエールをおくっている。Youtubeの映像から、聞き取りを訳して皆さんにお届けしたい。
***ウィスコンシン州労働者デモの背景
2月25日、ウィスコンシン州マディソンで新たに知事となったスコット・ウォーカーは、赤字予算対策のために労働組合の団体交渉権の削除する法案を議会に提出した。ウォーカーの法案は、ウィスコンシン州の公務員の福利厚生的な利益、労働条件に関する交渉は一切禁止している。教育・医療・公共施設など市民生活に不可欠な場所で働く公務員の人数を削減し、その「労働条件を交渉する権利」にいたるまで認めない法案は、その一方で、警察や消防などに関わる公務員の利益は除外し、赤字予算対策のためにこういう法案を提出したとしながら、二つの法人税の減税を認め[1]、保守的な医療政策実験に1億2千万ドル(約100億円)の税の追加支出を認め、そのうえ高速鉄道建設を否決し、工事に対して連邦政府からつけられた予算8億1千万ドル(約670億円)を返上している。[2]
ウォーカーのこのような措置は、彼の属する共和党や、減税と「小さな政府」を提唱するティー・パーティが理想とする社会がどんなものであるのかを如実に教えてくれる。彼らが理想とする社会というのは、3月5日にウィスコンシン議会を占拠している市民を応援に来たマイケル・ムーアが言ったように「米国の上位400人の金持ちの収入は、国民の半数以上の収入を集めたものより上回る」、貧富の差を極端にまで広げていく社会に他ならない。
[1] Ezra Klein, “Unions aren’t to blame for Wisconsin’s budget,” Washington Post, February 18, 2011. http://voices.washingtonpost.com/ezra-klein/2011/02/unions_arent_to_blame_for_wisc.html#more.

Note of Collective bargaining rights

集団交渉権剥奪についての記事を、ひとつずつまとめておくことにした。

えっと、まずはナオミ・クラインから。時計を3月9日に戻して。

to oppose a measure allowing the breaking of labor contracts by placing schools and districts under emergency management、って、よくわからんけど、緊急時に学校とディストリクトの配置を変える事? で、労働契約を破棄できるってことかなぁ、で、それに反対してミシガン州で大きなデモがあった。反組合法案に反対するラリーは火曜日(3月2日)にも、インディアナ州、オハイオ州、アイオワ州、フロリダ州、テネシー州で開催された。

アイダホ州では、州議会が公立学校教師の団体交渉権を制限する措置に対して最終承認を与えている。法案は、教員の給与と福利の団体交渉を制限する。また、教師の終身雇用を廃止して任期を1年に制限し、レイオフを決めるときに年功序列をはずす。(これは年齢の上の人をレイオフするんじゃなくて、務めている年数が少ない人からレイオフするってこと)

ナオミ・クラインは権力がいかにして、クライシスを利用して、非民主的で、ラディカル(根本的?)な自由経済政策を押し通すかを話している。1970年代のチリ以後、右翼イデオロギーがクライシスを悪用して、クライシスの解決にはなんの役にも立たないアジェンダを押し通し、過酷で不平等で民主的でない社会のビジョンを課すためにどんなことでもやっている。

ナオミ
まず第一に、ショックドクトリンに抵抗する方法として信じられないほどの例を以下に示します。目にしているのは全国の右翼イデオローグが経済危機を利用して、労働組合との50年戦争の最終決戦なのであって、それに対して労働組合員が急激に落ち込んでいるということです。公共の労働組合は労働者の最後の砦です。これらの州の知事は、こんな過激なことをするとやくそくしたから選挙で勝ったわけではないし、こんなことをすると言ってたら選出されなかっただろうけれど、経済危機を口実にしてやっている。

クライシスは断固たる対応が必要になる。国民的議論を避けるために、民主主義を妥当するために、中央集権された権力は「民主主義に時間を費やしてる時間はない。あまりにも大変なことである。なにが欲しいかは重要ではない。選択の余地はない。やるしかないのだ!」と。それがこの16州で起こったこと。追跡するのは不可能なくらい大規模で起こっている。

教員組合は最悪の状態を迎えている。昨日は国際女性の日だったけど、サービスを提供している女性が攻撃されている。ただの労働者が攻撃されているんじゃなくて、医療、教育のような、全国の基本的なケアを提供するサービスを提供している労働者が攻撃されている。そういう、民営化すると利益を生み出すサービスが攻撃されている。

オハイオでは2万人以上が知事のジョン・ケイシックの反労働組合の立法化に反対してデモがあった。ケイシックは彼の古巣のFoxに出演して

3月15日、オハイオは大改修する。医療、幼稚園から12年生、高等教育、監獄、を改修する。オハイオは強くなる。労働組合を攻撃しているわけじゃない、自分は労働者の出身、私が攻撃してるのは、貧乏、失業だ。もしこれをやらなかったら、みな惨めになる。みなで成功しようじゃないか!

といってるけど、ナオミ・クラインは、こうやってみんな私営にしてそれで設けた人は減税されるわけよね、とやっつけてる。経済危機はウォールストリートで作り出されていると誰もが知っているのに、公的資金で銀行を救済するための法案を可決させたのを知ってる。人々は、彼らがボーナスを取り戻して、法外な給与を受けてるのを見てきてる。企業が税金を払ってないのを知ってる。あんまりにも不公平。なのに、テレビに出て「みなで痛みを分かち合おう」ですって? ありがたいことに人々はそんなに馬鹿じゃないってことよねって。

エイミーが、オバマ政権に対して質問する。オバマは大統領選挙のときには「集団交渉権を剥奪しようとするものがいたら、私自身があなたと一緒にデモに参加します」と言ってる。

皮肉なこと。スコット・ウォーカーは組合つぶしをやると選挙戦では言わなかった。オバマは組合を強化すると、何度も約束して当選した。なぜウィスコンシン州でこんなに強い抵抗があるのか、ネーション誌のジョン・ニコルスが集団の歴史、集団の記憶について書いている。